フェアトレードとは何か?
フェアトレードは、世界から貧困をなくすことを目指す活動です。
フェアトレードのフェアとは、英語で「公正な」という意味。
トレードは貿易なので、「フェアトレード」とは直訳すると公正な貿易という意味になります。
では、何が公正なのでしょうか?
それは生産者に支払われるお金です。
安全な方法で作られた農産物を都会の消費者に届ける日本の産直運動でも、 野菜などを作る生産者に支払われる代金は、「再生産可能な価格」、 つまり安全で安心な作物を継続的に安心して作ってもらえる価格を保障しています。
フェアトレードも同じ考え方です。
安全で安心できる物を継続的に生産することができ、生産者が十分暮らしていける価格や賃金を保障しています。
こうして生産者を経済的に支援して彼らが安心して働ける場を作り出し、貧困から抜け出す手助けをすること。
それがフェアトレードの目的なのです。
フェアトレードは、寄附ではありません。
途上国の人たちに支払うお金は、商品の代金であり、賃金なのです。
よく、「援助慣れ」という言葉が使われます。
寄付などで援助をしてしまうと、人びとに自分たち自身の力で現状を変えようという気持ちがなくなってしまうことがあります。
援助をもらうことが、もっとも手軽な物やお金を得る手段商になってしまうからです。
商品代金や賃金としてお金を支払うのであれば、その点は心配ありません。
それに、「寄付ではない」というのは、援助をする消費者の側にとってもありがたいことです。
寄付をしたら自分のお金がなくなってしまいますよね。
でも、フェアトレードなら、そんなことはありません。あなたが支払うお金は、商品の代金です。
あなたは、お金と引き換えに素敵なフェアトレードの商品を手に入れることができるのです。
自分が気に入ったものを買うだけで、それが途上国の人たちの援助になるのがフェアトレードです。
フェアトレードの商品は、自然素材を手作りした、なかなか日本では手に入らない商品です。
または、日本で作ったらとても買えないような高い値段になってしまう商品です。
チョコレートやコーヒーのような食品も、どれもとてもおいしくて、生産者の支援みたいなことを考えなくても、
とても魅力的な商品です。
そのうえ生産地の環境や、使う人の健康にも配慮した商品でもあります。
フェアトレードが必要になる背景
2002年6月、日本中がサッカーのワールドカップで熱狂しました。
しかし、そんな華やかさの影で苦しんでいる人たちがいることはあまり知られていません。
あのような大きな大会で使われるサッカーボールは、手縫いで作られます。
縫っているのは、小学校くらいの子供であることも多いのです。
小さなこどもが、学校へも行かせてもらえず、毎日毎日長い時間、サッカーボールを縫い続けている現状があるのです。
そのため、日本を含む世界のフェアトレード関係者は、FIFAに対し、試合で使うサッカーボールには、 フェアトレードのような労働者の搾取のないものにして欲しいと要求しましたが、聞き入れられませんでした。
インドでは、サッカーボールを縫うボール職人が30万人いるといわれますが、
その半数は最低水準以下の暮らししかできません。
大人が一日働いても得られる賃金は、20ルピーほど。
日本円で60円くらいです。子供となるとさらに低いのが現状です。
管理人はインドに行ったとき、荷物を運んでもらったホテルのポーターに、
10ルピー札(30円くらい)をチップとして渡しました。
それを考えると、恐ろしく低い賃金だということがわかります。
これでは子供たちはいくら働いても、貧困から抜け出すことができません。
途上国には、貧しさゆえに教育を受けられない→低賃金の仕事にしか就けない→さらに貧しくなる→子供が学校に行けない→その子供も学校に行けない。という悪循環を繰り返す現状があります。
途上国では労働者の権利が守られないことが多く、労働環境が劣悪で、 受け取る賃金が不当に安く抑えれれているのが現状です。
フェアトレードでは、そんな立場の弱い労働者に、労働に見合った、暮らしていくのに困らない賃金を与えます。
安全な労働環境を与えます。
そして、子供たちが学校に行けるようにします。
労働環境が劣悪で、賃金が安いのは、サッカーボールの生産者だけではありません。
欧米のブランド物の服や靴などは、自国で作られることはなく、
インドやバングラディシュ、フィリピンなどの途上国にある下請工場で作られます。
低賃金の過酷な長時間労働を強いる衣料品などを作る工場は、「スウェットショップ」と呼ばれ、
そこで働く労働者たちの待遇の問題は、世界のフェアトレード関係者の大きな関心事となっています。
彼らの働く環境は、多くの場合劣悪で、
空調設備の整わない部屋に大勢の労働者(多くは女性)が押し込められ、働かされます。
その国の最低賃金にも満たない給料しかもらえず、暮らしていくのがやっとです。
その事実を克明な取材に基づいて記録、発表したのが、写真のナオミ・クライン著ブランドなんか、いらないという本です。
この本の内容を参考に作った、当サイトの「ブランドの影で苦しむ、アジアの女性労働者たち」のページでは、 そんな過酷な労働を強いる海外ブランド向け商品を作る工場の集まる関税特区で働く女性たちのことを、 詳しく説明しています。
フェアトレードで、農民たちの過酷な生活を改善する試み
また、途上国の農民は、自分たちで作ったものの価格を自分たちで決めることはできません。
仲買人に足元を見られ、しばしば生産コストを下回るほどの安い価格で買い叩かれてしまいます。
私たちが毎日楽しんでいるコーヒー。
あなたはコーヒーを作る農家の人たちがどんな人たちで、どんな暮らしをしているのかを考えたことがありますか? 日本にはなかなか生産者の現状は伝わってきません。
運搬手段を持たない農民は、「コヨーテ」と呼ばれる仲買人に作ったコーヒーを安く買い叩かれ、 子供たちを学校に行かせるお金すらありません。
こうした現状を変えようと、アメリカでは市民が立ち上がりました。
大手のコーヒーショップチェーンに対し、コーヒー農家の暮らしを保障するように、圧力をかけたのです。
バナナや砂糖、コーヒーなどを作る大規模なプランテーションでは、土地を持たない農民たちは、
農業労働者として働きます。
防護服も与えられず、危険性も教えられないまま農薬を撒かされるので、事故が頻繁に起こります。
西アフリカのカカオ農園では、21世紀の今になっても、
子供たちを「奴隷」として使っている現状があります。
彼らはだまされたり、親に売られて隣国から連れてこられます。
厳しい労働をさせられますが給料は一切出ません。奴隷だから。
こうした世界の人たちの現状を改善することを目指し始まったのが、フェアトレードです。
フェアトレードでは、援助としてお金を与えるのではなく、彼らの労働に見合った適正な賃金、
彼らが十分暮らしていけるだけの賃金を支払うことで、貧困をなくしていきます。
または、コーヒーや紅茶、カカオ、など農民たちが作ったものを、 生産者の生活が成り立つような適正な価格で買い取ります。 農民たちが安心して暮らすことができ、子供たちが学校に行けるようにしています。
フェアトレードでは、単に生産者が作ったものを買い取るだけではありません。
製品を販売する日本の市場で受け入れられるデザイン、品質のものが作れるよう、
技術的な支援を行ったり、日本の消費者の好みなどのマーケティング情報の提供を行っています。
さらに、フェアトレードでは、できる限り安全で、環境への影響が少ない方法での生産を目指しています。
生産者たちが持つ伝統的な生産技術を応用することで、それが可能になりました。
草木染め、手織り、手漉き紙の技術、周りの自然と調和した自然農法など、
途上国には環境や人に優しい伝統技術がまだたくさん残っています。
フェアトレードの商品は、環境にも、買う人にも優しい商品なのです。
フェアトレードの商品について詳しくは、 「買う人にとっても魅力的な、フェアトレード」をお読みください。
このページでは、ずっと「生産者」という言葉を使っています。
「フェアトレードは、貧しい生産者の支援をするために行われている」といわれるわけですが、
それでは生産者とは具体的にどういう人たちなのでしょうか?
実はフェアトレードで生産者と言った場合には、実際に商品を作る個人としての生産者と、 そうした生産者たちをとりまとめる「生産者団体」の2つの意味があります。
詳しくは、下のページをお読みください。
フェアトレードの無料メールマガジン
メールマガジン「貧困のない世界を作る!フェアトレードの話」は、
フェアトレードをテーマにした日本で最初のメールマガジンです。
当サイトの管理人の斉木は、2003年11月より、
フェアトレードをテーマにしたメールマガジンを発行しています。
当時他にフェアトレードのメールマガジンはなかったため、
これが日本初のフェアトレードのメールマガジンということになります。
内容は、フェアトレードや貧困問題に関する最新情報を、わかりやすく解説したり、 児童労働、奴隷労働、貧困といった問題も、背景知識のない方でもわかるよう、 具体的に、わかりやすく解説したりするもの。
- 世界に貧困問題が発生する原因とは?
- フェアトレードの問題点
- 日本人として何ができるのか?
といったことを、このメールマガジンで学ぶことができます。
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