フェアトレードの認定ラベル/マークについて その1

フェアトレードの認定ラベル/マークについて その1

フェアトレードにラベルやマークは必要か?

フェアトレードにラベルとかマークがあるのをご存知でしたか?

なぜフェアトレードに、それを保障するラベルがあるのでしょうか?
フェアトレードになぜ、ラベルやマークが必要なのか?
それはどんなものなのか?
その必要性と問題点についてを、このページでは考えていきたいと思います。

フェアトレードラベルの必要性

日本ではあまり一般的ではありませんが、フェアトレードの「ラベル」というものが存在します。 現在フェアトレードであることを証明するマーク/ラベルには、2種類あります。

1つは、フェアトレードのものを扱う団体や生産者を、 「フェアトレード団体」と認める「フェアトレード団体認証マーク」です。

もう一つは、個々の商品に貼り付けて、 その商品がフェアトレードの基準に合った方法で作られていることを証明する 「フェアトレードラベル」です。

とはいえ、フェアトレードの認知度がほとんどない日本には、 マークもラベルもなくても「フェアトレード」という名前で販売している団体や商品が存在します。

もともとはフェアトレードのラベルというものは、販売する商品に対して付けられるものでした。
1988年、オランダのフェアトレード組織、 「マックスハベラー」がラベル付きでコーヒーの販売を始めたのが始まりとされています。

その後、Fair Trade Foundation(英)、 TransFair(米、加)といったフェアトレードの認定組織がいくつも誕生し、コーヒーや紅茶といった農産物のフェアトレードの認定を行いました。
そうした団体は、団体ごとにラベルを発行し、認定を受けた商品にそのマークを付けて販売することを、 認めてきました。

トランスフェアの
フェアトレードの
認定ラベル

左はトランスフェア(Trans Fair)のラベルです。
こうしたフェアトレードラベルは、ヨーロッパやアメリカのスーパーや生協などで、 フェアトレード商品に貼り付けて使われてきました。

1997年、そうしたフェアトレードの認定組織が一つにまとまり、新しい組織を作りました。
「Fairtrade Rabeling Organization International」という組織、 世界フェアトレードラベル連盟とでも訳せばいいのでしょうか?
通常FLOまたは、FLO-Iと略される団体です。

新しく作られた、
各団体共通の
フェアトレード
認定ラベル

2002年2月、新しく「Fairtrade Rabel」というものが作られました。
左のマークがそうです。このマークができて以降、TransFair などのフェアトレード認証組織は、 じょじょに各団体が発行する個別の認定マークから、こちらのフェアトレードラベルに、 表示の切り替えを行っています。

一方、このような商品ではなく、「フェアトレード団体を認定するマーク」の方はまだ新しく、2004年1月になって決められました。

「The IFAT Fair Trade Organization(FTO)mark」、 つまり「フェアトレード団体マーク」というものです。マークは、 下のURLをクリックすると見ることができます。

IFATマーク

「フェアトレード団体」
とIFATが認めた団体に
使用が許可される。

左のマークがそうです。 「IFAT」は、 International Fair Trade Organization 」日本語で言えば、 「世界フェアトレード協会」になるでしょうか。
日本を含む世界数十カ国のフェアトレード組織や生産者が加盟する国際組織です。

このIFATの定めた基準に合った活動を行っている団体を、「フェアトレード団体」と認定し、 マークの使用権が与えられます。
が、認定はあくまで団体に対して行われるものであり、 商品にそのマークを貼り付けて売ることはできません。

では、現在日本で消費者向けに販売されているフェアトレード商品は、 「フェアトレードラベル」が付いているか、商品の開発や輸入を行っている団体が 「フェアトレード団体マーク」を持っているかどちらかなのかというと、そうではありません。

ラベルやマークを持っていなくても。「フェアトレード」と名乗って、 販売されている商品も多く存在します。
ラベルやマークを持たないのは、国際組織に加盟しない団体で、小さな団体であることが多いですが、 どこもフェアトレードというに相応しい、優れた活動をしています。

まとめると、今日本で売られているフェアトレード商品は、フェアトレードのラベル付きか、 もしくはその商品を開発し、輸入している団体が、フェアトレード団体ラベルを持っているか、 どちらも持っていないが「フェアトレード」と名乗って商品を販売しているか、 これらのうちどれかであるということができます。

フェアトレードラベルの必要性

日本ではフェアトレードマークやラベルどころか、 フェアトレードそのものがほとんど知られていません。
私の店に来る人の中には、カタカナで、「フェアトレード」と書いてあっても読めない人さえいます。

そうはいってもフェアトレードのことをある程度知っている人の場合、 フェアトレードラベルが商品に貼ってあったり、商品を扱っている団体にマークがあれば、 わかりやすいというメリットがあります。

表示をわかりやすくして、他のものとの差別化をはかり、 販売を伸ばすというマーケティング的な観点からは、こうしたラベルやマークの存在は、 とても意味のあることであると言えるでしょう。
フェアトレードを知っている人ならば、数ある商品の中から、 多少高くてもフェアトレードのものを選んでくれるかも知れないからです。

特にフェアトレードラベルの方は、商品に貼り付けて使用できるため、 販売側にとってお客に違いをアピールできるメリットがあります。

消費者にとっても、ラベルやマークがあることは、製品の信頼性が高まるというメリットがあります。 が、今の日本でそんなものが必要か?ということになると、いろいろと議論の余地があると思います。

「そんなラベルだのマークを取得するようなお金と時間と手間があるなら、 他にもっとやらなければならないことがある。」
ラベルやマークを取得していないフェアトレード団体の人ならこう言うでしょう。

確かに、ラベルやマークがあった方が、よりわかりやすいのは確かですが、 今の日本ではフェアトレードそのものが全く普及していないわけで、ラベルの取得よりも、 フェアトレードの裾野を広げることの方が、より重要と言えるかもしれません。

そんな背景もあり、昨年(2003年)まで日本ではフェアトレードラベルの付いた商品なんてほとんど見かけませんでした。
わずかに「わかちあいプロジェクト」という団体が、 「TransaFair」の認定ラベルを貼ったコーヒーを売っていたのと、 一部のグループや個人が、Transfair のコーヒーを輸入して販売していたにとどまります。

忘れていました。 スターバックスでもTransfair のマークがついたフェアトレードのコーヒーを販売しています。

団体そのものを認定するマークが今年になってできたため、 それをカタログなどの印刷物に付けるようになった団体はありますが、そうしたところも、 扱っている商品にフェアトレードの認定ラベルを付けることはしていません。

フェアトレードの商品を継続的に買ってくれている消費者も、今のところラベルやマークのあるなしは、 あまり気にしていません。
というより、マークは去年(2003年)までなかったし、 ラベルも付いているものはごく一部の商品に限られるため、 ラベルやマークの存在を知らない人の方が多いでしょう。
だから、今のところはラベルやマークで商品を選んではいないし、 消費者がラベルやマークのあるなしによって商品を選ぶようになるのは、 まだまだ先のことになると思われます。

ヨーロッパでは、スーパーや生協の店で、フェアトレードラベルの付いたコーヒーが売られていて、 オランダでは90%の消費者がその意味を知っているといいます。
当然、売り上げに貢献していると思われますが、 日本ではあまり大きな影響を消費者の商品選択に与えるとは思えません。

では、日本にはフェアトレードの認定ラベルやマークは必要ないのでしょうか?

私は、個人的には必要があると思っています。
なぜなら、不当表示がいつまでたってもなくならないこの国の販売者の低いモラルが心配だからです。
また、オーガニックの認証制度が法律で定められる前、かなりいい加減な品物まで、有機野菜、 有機という言葉を使って販売されてきた経緯があり、心配があるからです。

フェアトレードがあまり普及していない今だからこそ、いったい何がフェアトレードなのか?
何がフェアトレード商品なのかという基準をしっかり定め、 消費者に明確に説明できるようにしておく必要があると考えます。

フェアトレードラベルの必要性

今まで日本のフェアトレード組織は、フェアトレードラベルのようなものを作ることには、 あまり積極的ではありませんでした。
団体を認定する「マーク」ができた今でも、個々の取扱商品にフェアトレードラベル付けようとは、 考えていないようです。

その理由としては、そうしたラベルを付けるための認証を取るのが面倒だったり、お金がかかったり、 物理的に無理(人が足りない、忙しい、扱い品目が多すぎる)ということもあります。
が、やはり生産者との「信頼関係」に基づいた取引を大切にしているからでしょう。

「フェアトレードカンパニー」という東京にあるフェアトレード会社が発行している、 「Peoole Treeカタログ 2004 夏増刊号」に、こんな記述があります。

「本来、フェアトレードは、 生産者とその自立を支援する消費者がつながることから生まれた運動です。 大規模化・複雑化した流通システムの中で失われてきた生産者と消費者の信頼関係を取り戻す努力が、 マーク(注:団体認定のマーク)の付与によってなくなるわけではありません。」

正しい姿勢だと思います。 この姿勢をずっと大切にしていって欲しいと思います。
が、信頼関係だけに基づいたシステムは、とても脆弱です。
信頼を裏切るような人が出ないという前提でシステムが作られているので、そういう人が出てきた場合、 対処することができません。

2000年6月、それまでぬるま湯にどっぷり浸かっていた日本の有機農業関係者に、 根本的な意識改革を求める厳しい法律が施行されました。「有機農産物の日本農林規格(改正JAS法)」という法律です。
これにより、それまで勝手に有機農業を名乗ってきた農家や、明確な基準を作らないまま、 自社の取引先農家から仕入れた野菜、果物などを「有機農産物」といって売ってきた産直会社などは、 自分たちが販売するものを「有機」とは言えなくなりました。

懲役も含めた罰則付きの法律です。これにより、「有機」を名乗るには、厳格な基準を守り、 農水省が定めたしかるべき団体から、お墨付きをもらう必要がでてきました。
有機を名乗るには、「有機JASマーク」と呼ばれるものが必要になったのです。

農水省は、なぜこんな厳しい法律を作ったのでしょうか?

国内の「有機」市場が、好き勝手に名乗っている自称「有機」ばかりだったからです。
「有機」の表示が混乱しているのが原因でした。
関心のある方は、こちらをご覧ください。

私は、フェアトレードに関わる前、有機農業運動に関わっていました。
日本を代表するような産直会社のスタッフをしていたのですが、あるとき、この会社で、 取引先の納豆製造会社を取引停止にしたことがありました。

理由は、「有機栽培の大豆をちょっと使っていなかったから」。

意味がわからないでしょう。

以前は本当によくあったことなのですが(今でもあるかも)、 ほとんど大部分の原料大豆にポストハーベストの輸入大豆を使い、 その中にごくわずかの量の国内産の有機栽培大豆を加えて納豆を作り、 「国内産有機栽培大豆使用」と言って販売していたのです。

私たちが取引停止にしたこの会社以外にも、こういう業者は多数存在しました。
一種の業界内の慣行のようになっていました。

確かに有機大豆が“使用”はされているわけです。
それに取り締まる法律がないのですから、違法ではありません。
が、消費者や私たちの会社との信頼関係を裏切る、許されない行為です。

でも、納豆会社の担当者は言いました。「(こんなこと)常識ですよ」。

今後、フェアトレードが広まるとともに、フェアトレードを名乗れば売れる、 儲かると考える不届き者が出てこないとは言えません。
あの納豆会社のようにブレンドコーヒーのパックの中に、わずか1粒フェアトレードのコーヒーを入れただけで、 「フェアトレードコーヒー」と言って販売してしまうということも、考えられます。

そのうちそうすることが「常識」になってしまうかも知れません。そんなことにならないよう、 フェアトレードとは何なのか?フェアトレード商品とは何なのか?を、今からしっかり明文化して定めておく必要があります。

といっても、かんたんなことではありません。

続きはフェアトレードにラベルやマークは必要か?その2をご覧ください。

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