あの、スターバックスにもフェアトレードコーヒーが!

あの、スターバックスにもフェアトレードコーヒーが!

〜おいしいコーヒーの背景とフェアトレード〜

2002年10月、日本国内のスターバックスの店舗で、フェアトレードのコーヒーの販売が始まりました。
スターバックスでフェアトレードコーヒーが販売されるのは、アメリカやカナダなどに続き、 日本が世界で5番目になります。
本国アメリカも含め、今のところ販売は「豆」だけに限られ、店内で飲むコーヒーのメニューには、 フェアトレードコーヒーはありません。

スターバックスはしかし、コーヒー農家を貧困から救うため、 自ら進んでフェアトレードのコーヒーを販売するようになったのではありません。
途上国の貧困問題や、人権問題の解決を訴え、フェアトレードの「普及活動をしている、 アメリカのNPO「グローバル・エクスチェンジ」を始めとする、 アメリカの市民たちからの圧力によって、会社の方針を変えたのです。


日本で発売当初の
スターバックスの
フェアトレードコーヒー

世界のコーヒー生産の半分以上は、小規模な個人農民たちによるものです。 貧しい彼らは、市場への物流、販売ルートを持ちません。そのため、 やむなく「コヨーテ」と呼ばれる仲買人たちに生産したコーヒーを売ることになります。

仲買人たちは、農民たちの足元を見て買い叩きます。
農民が仲買人から受け取るのは、市場価格の半分以下、1ポンドあたり20〜40セントです。
平均的な生産コストは、70セント以上かかりますから、これでは生産コストの半分にもなりません。

生産者たちは経済的に困窮しているため、子供たちを学校に行かせることができません。
子供をコーヒー畑で働かせるようになります。

世界のコーヒー価格の下落も、コーヒー生産者の困窮に拍車をかけています。

コーヒーの国際価格は、ずっと下がり続けており、今では1ポンドあたり50セントにもなりません。
原因は、コーヒー豆の生産過剰です。
1989年に、コーヒーの国際割り当て制度がなくなってから、世界的に生産量が増大しました。
ベトナムのような新興産地が現れたことも、コーヒー豆の余剰、 市場価格の下落傾向をより激しいものにしました。

スターバックスは、従来からコーヒー豆を業界平均を上回るポンドあたり1.26ドルで買い取ってきました。
しかし、農民から直接買うわけではないので、儲けはほとんど仲買人のところに行ってしまいます。 アメリカの人権・フェアトレード団体「グローバル・エクスチェンジ」(以下GX)は、 このことを問題にし、スターバックス全店で、 フェアトレードで輸入したコーヒーを販売するよう求めました。
他にも問題のあるコーヒー会社はありましたが、GXがスターバックスをターゲットにしたのは、 業界の中で一番大きく目立つ存在だったからです。

GXは、労働団体、学生団体、教会関係者などとともに、スターバックスの店の前でデモを行ったり、 株主総会で発言したり、CEO(最高経営責任者)に会って直接要求を伝えました。
会社側は始めはしぶっていましたが、2000年10月からフェアトレードのコーヒーを販売することを承諾しました。

アメリカでは今、消費者の間に「企業の社会的責任(CSR)」が問う声が大きくなっています。
発展途上国の農民や労働者に安い給料で過酷な労働をさせたり、その状態を放置している企業があれば、 市民はその会社の商品をボイコットする。
店の前にプラカードを持って集まり皆で抗議する。
デモ行進をして、道行く人にその企業のしていること、生産者の置かれた状況を訴える。
といった方法で圧力をかけ、会社の方針を変えさせています。

日本でも、食の安全性などに対する関心が高まり、消費者の企業への目はかなり厳しくなっています。
が、それは自分や家族の健康を心配してのことで、作っている人のことを考えて行動するといったことは、 日本ではほとんどないように思います。

意外かも知れませんが、日本はアメリカ、ドイツに次いで世界で3番目にコーヒーの消費量が多い国です。
日本でコーヒーは作れませんから100%輸入です。
これだけ大量の消費量のコーヒーのたとえ1%でも、フェアトレードのものになれば、 何十万人ものコーヒー農民が助かることでしょう。

今イギリスでは、コーヒーの流通量の4%がフェアトレードのものになっています。
でも、こうなった最初のきっかけは、ある1人の中年男性の行動がきっかけでした。
彼は、近所のスーパーに行き、「フェアトレードのコーヒーを仕入れてくれたら、自分や友人たちが必ず買う」と言って店長を説得したのです。
そして今ではイギリス全土5500店のスーパーで販売されるまでになりました。
これにより数十万人のコーヒー農家が貧困から開放されました。

日本でも、少しでも多くの人がフェアトレードを知り、 フェアトレードのコーヒーを飲むようになればと思います。

スターバックスのコーヒー生産者支援

先日(2007年10月ごろ)管理人が久しぶりにスターバックスに行ったら、 フェアトレードラベルの付いたのコーヒー豆があったので眺めていたら、 店員さんがいろいろ説明してくれました。
何でもスターバックスは、フェアトレードのコーヒー以外にも、買い取り価格を保障するなどして、 生産者の支援を続けているのだとのこと。

フェアトレードラベルのコーヒーを買ったら、 「コーヒー生産地への貢献」というパンフレットをくれたので、その内容を中心に、 同社のコーヒー生産者支援について、今回は見てみたいと思います。

スターバックスが一体どのような会社なのかとか、 フェアトレードの趣旨に合った営業活動をしているのかどうかといったことは抜きにして、 ここでは同社のコーヒー生産者支援の方法を、基本的に同社の説明どおりにご紹介したいと思います。

スターバックスのコーヒー生産者への支援策は、だいたい次の5つの柱で行われています。

  • プレミアム価格での買い取り
  • C.A.F.Eプラクティス
  • 農園運営資金のサポート
  • 生産地の社会開発プロジェクトへの投資
  • フェアトレード認証コーヒーの取扱い

それぞれの項目について次に説明しますが、断りがない限りは、 スターバックス発行のパンフレット「コーヒー生産地への貢献」の内容とスターバックスの店員さんの話を元にしています。

「プレミアム価格での買い取り」というのは、相場の変動から生産者の生活を守るために、 市場価格より高い値段でコーヒー豆を買い付けることです。
2004年には、1ポンドあたり1.20ドルで購入し、これは「ニューヨーク市場での取引価格の74%増し」の価格だということです。

コーヒー豆の値段は、収穫した豆の皮を取り除いて乾燥させたいわゆる「生豆」になった状態の価格だと思います。
買い取り価格は農家からの買取価格なのか、仲買人や商社からの買い取り価格なのかは、表記がないので不明です。

2番目の「C.A.F.Eプラクティス」とは、Coffee and Farmer Equity Practicesの略で、生産者、 共同組合、輸入業者に対する社会面、環境面、経済面に関する28の評価指標を持つスターバックスのコーヒー豆仕入れのためのガイドラインのことです(後で詳述)。

2001年にスターバックスは、CI(コンサベーション・インターナショナル)と共同で、 コーヒーの取引における社会面、環境面、経済面に関するガイドライン「Preferred Supplier Program(PSP)」を策定しました。

このガイドラインは、第三者認証機関のScientific Certification Systems(SCS)の指導によって、 改善され、2004年には新たに「C.A.F.E.プラクティス(Coffee and Farmer Equity Practices.)」として正式に導入しました。

「そして、スターバックスは、C.A.F.E.プラクティスを遵守するサプライヤーから優先的に買い付け、 生産者と互いに利益がもたらせられるような関係を築き、コーヒー豆の供給者との長期的な契約を結んでいます。」ということです。

3番目の「農園運営資金のサポート」ですが、こちらは同社の生産者の半数が小規模な農家のため、 高品質の豆を安定的に栽培・供給してもらうことを目的に低利での融資を行う制度のこと。
2005年には850万ドル以上の資金の融資を行ったということです。

4番目の「生産地の社会開発プロジェクトへの投資」は、 コーヒーの生産者が住む地域のインフラを整えるために行われているプロジェクトです。

コーヒーの生産地は、住居や診療所、道路、学校などの社会資本が整っていない地域が多数あります。
そうした地域に生産者の家を建設したり、井戸堀りを行って安全な水を確保するなどしています。
野生動物保護のために、それに取り組んでいるNGOに寄付をしたこともあります。

こちらはスターバックスが直接行っているというよりは、寄付などの形で資金援助を行っているようです。

最後の「フェアトレード認証コーヒーの取扱い」も、スターバックスでは生産者の支援活動の一環として行っています。お店の人の話によると、特定の生産者ではなく、そのときどきによって産地を変えているということです。

私がこのとき買ったフェアトレードコーヒーは、確か南米とアフリカのコーヒーのブレンドでした。

焙煎が深入りにしすぎで、苦いだけのコーヒーになってしまっていて、 値段の割には(1300円)おいしいとは思いませんでした。
豆の質がいまひとつなのを、深入りにすることでごまかすというか、 それなりに飲める味にしたのかもしれません。

味はいまひとつでしたが、FLO(Fair Trade Labeling Organinization International)の認証マーク付きのコーヒーなので、国際的なフェアトレードの基準を満たして作られたコーヒーだということはできます。

「フェアトレード」とは言っていませんが、スターバックスが販売しているコーヒーは、 すべて市場価格より高いプレミアム価格で買い取られたもので、生産者の生活のことを考えた価格設定になっています。
そして作業場の建設など、生産者を支援するための取り組みを同社では行っているということです。

スターバックスのような大きな会社でこのような取り組みをすることは、 消費者に対しても、社会的にも一定の影響力があるものと思われます。

同社がこのような取り組みを行うようになったきっかけは、1989年、 アメリカのスターバックス コーヒーの店舗でCAREという海外支援を行うNGOの職員のひとりが偶然「コーヒーの世界」というリーフレットを手にしたことでした。
彼はCAREが支援活動をおこなう国々とスターバックスのコーヒー生産地がほぼ一致することに気づき、 スターバックス取締役(当時)のデイブ・オルセンにコンタクトをとったのです。
そして1991年、アフリカでCAREの活動をデイブが視察し、 正式にCAREを通じてのコーヒー生産者の支援が始まったのだということです。

  • スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 広報室 室長 堀江 裕美 氏
    (リンク先のページが削除されています。)

ちなみにスターバックスは、この記事とは裏腹に、悪しきグローバル化を推進する側の企業、 伝統文化を破壊する企業というイメージも世界の人たちから持たれています。
それを端的に表している報道記事があったのですが、現在リンク切れになってしまったので、 ご紹介することができません。

スターバックスのC.A.F.Eプラクティス

先ほども出てきたスターバックスのC.A.F.Eプラクティス(Coffee and Farmer Equity Practices.)とは、生産者、共同組合、輸入業者に対する社会面、環境面、経済面に関する28の評価指標を持つスターバックスのコーヒー豆仕入れのためのガイドラインです。

2001年にスターバックスは、CI(コンサベーション・インターナショナル)と共同で、 コーヒーの取引における社会面、環境面、経済面に関するガイドライン「Preferred Supplier Program(PSP)」を策定しました。
このガイドラインは、第三者認証機関のScientific Certification Systems(SCS)の指導によって、 改善され、2004年には新たに「C.A.F.E.プラクティス(Coffee and Farmer Equity Practices.)」として正式に導入されました。

「そして、スターバックスは、C.A.F.E.プラクティスを遵守するサプライヤーから優先的に買い付け、 生産者と互いに利益がもたらせられるような関係を築き、 コーヒー豆の供給者との長期的な契約を結んでいます。」とスターバックスでは述べています。

しかし、「世界市場の低迷によるコーヒー豆価格の下落が、 生産者に影響しないようにする]がC.A.F.E.方針には含まれていない」という批判の声も出ています。

フェアトレードコーヒーについて

2002年からスターバックスで取り扱いが始まったフェアトレードコーヒー。
最近では、一部のスーパーやコンビニでもフェアトレードラベル付きのコーヒーを見かけるようになりました。
が、ヨーロッパではもっとずっと以前からフェアトレードのコーヒーは販売されていて、 コーヒーは最も古いフェアトレード商品の一つになっています。

フェアトレードのコーヒーが生まれた背景には、コーヒーの生産者の手取り価格が異常なほど少なく、 時にそれが生産原価をも下回るため、暮らしていけず、 子供を学校に行かせることもできない現状を解決いしようという試みからでした。
コーヒー農家が困窮する背景には、コーヒー国際価格の暴落があります。

コーヒーは国際的に流通する商品作物で、その価格は、ニューヨークやロンドンの先物市場で決まります。
そこではコーヒー豆に触ることすらない投資家たちが多額の利益を得る反面、 コーヒー農家の手取り価格は、低く抑えられてしまいます。
その他にもいろいろ原因がありますが、コーヒーの国際価格の暴落には、主には以下のような理由があります。

  • 1989年、コーヒー価格を安定させるための国際協定が崩壊。
    原因に、生産国間の利害の対立や、先進国の政府、倍専業者などからの自由貿易の圧力などがある。
  • それが新興産地のベトナムの市場参入を許し、安いコーヒー豆が大量に国際市場に供給されたため、 供給過多でさらに価格が下がった。
  • 販売力のない農民は、それを持つ仲買人に売るしかなく、安く買い叩かれる。
    コーヒーの相場が下がると、それがいっそう激しくなる。

では、私たちが支払うコーヒー代金のうち、世界のコーヒー生産者たちは、 どの程度の額を受け取っているのでしょうか?

今年2008年5月に公開される映画「おいしいコーヒーの真実」では、私たちがコーヒーショップで飲むコーヒー1杯当たりのお金の内訳を下のように説明しています。

トールサイズのコーヒー一杯330円のうち...

  • カフェ、小売、輸入業者の取り分  297円(90%)
  • 輸出業者・地元の貿易会社の取り分 23円(7%)
  • コーヒーの農家の取り分      3〜9円(1〜3%)

ただこれは、工業製品の消費者への販売価格と、一次産品の産地での買取価格を単純に比較したものであり、このような計算を行うと、コーヒーだけでなく、ほとんどの加工食品や一次産品を原料とする工業製品の原料の生産者価格が、とても低いものになります。
このあたりを注意する必要があるのですが、いづれにしても、ものすごく安い価格でコーヒーが生産者から買い取られているという事実は変わりません。
映画では、生産者の生活が成り立たない現実を、映し出していました。

現状では生産者の暮らしが立ち行かない現実があるため、フェアトレードでコーヒー生産者を支援する団体では、コーヒー相場がどんな価格だろうと、同じ最低保障価格で農家からコーヒー豆を買い取っています。
買い取り価格は、産地とか団体により異なりますが、フェアトレードラベルの基準で見ると、だいたい1kgあたり300円前後の買い取り価格になっています。
年によって、コーヒー豆が不作で相場が上がったりすることがありますが、そんなときのは、買い取り価格も相場に合わせて上げることになっています。

農民たちが生活できるフェアトレード価格で豆を購入したとしても、末端のコーヒー豆の販売価格は、 フェアトレードのものも、そうでないものもそんなに違いはありません。
味はフェアトレードのものの方が良いことが多いので、ぜひコーヒーを買う際には、 フェアトレードのものを選んで欲しいとい思います。

コーヒー以外に収入の道のない人々への支援

PWJの支援で開発された
東ティモールのコーヒー

ピースコーヒー

日本のフェアトレー組織の場合、他に収入の手段がない人々への支援策として、 フェアトレードによるコーヒーの輸入を行っている支援団体がいくつかあります。
写真の東ティモールのコーヒーもその一つ。国際援助団体「ピース・ウィンズ・ジャパン(以下PWJ)の支援により始まったコーヒー・プロジェクトで作られたコーヒーです。

東ティモールは、「21世紀最初の独立国」として独立はしましたが、 ほとんど産業らしいものがない国。貧困・失業率は高く、首都のディリあたりならともかく、 地方では公務員以外はごとんど現金収入を得られる仕事がありません。

そこで、そんな人々を支援し、現金収入を得て、自立できるようにするために、 PWJでは、現地で元々作っていたコーヒーを買取り、 日本に輸入して販売するフェアトレードによる農民支援を行うことにしました。

農民たちは、ほとんどの収入を、このコーヒーから得るようになっています。
家族まで含めると、約3,000人の暮らしを支えるコーヒーです。

ヒマラヤンワールド・コーヒー
ネパリバザーロの支援する
農民が作ったコーヒー

ヒマラヤンワールド・コーヒー

横浜市のフェアトレード組織「ネパリバザーロ」の支援するネパール奥地の農民たちが作ったコーヒー。

生産者たちが住むのは、まともな運搬手段もない、電気もないような山奥の村。
90パーセントがローカーストのたいへん貧しい村々です。
ネパリバザーロの支援が入るまでは、コーヒーは作れても販路がないため、 木を切ってしまうこともあったといいます。

それがフェアトレードによる支援で、 コーヒーを貴重な収入源にすることができるようになりました。

ネパリバザーロではコーヒーを、国際価格をはるかに上回る、キロ400円という価格で買い取っています。
「世界一高い生産者からの買い取り価格」だと言います。


当サイトでは、フェアトレード・コーヒーの通販を行っています。
コーヒーは、日本全国送料350円でお送りしています。次のページをご覧ください。

▲このページの上へ